心裡留保で不動産取引が現実的にあった事例
今日もこれから雨が続きそうですし気温もかなり低そうです。今日は水曜日ですが週末に決済があるので準備しております。不動産売買の手続きでは取引の最後に行われるものですが、この決済の当日になって判明したことで、10年以上前に後輩の話で恐ろしい出来事を聞いたことがあります。
心裡留保という言葉があります。これは平たく言えば冗談を言う、この話のケースでは「土地を売るよ」と言った売主の言葉を鵜呑みにして!?買主が購入契約し、それを転売しようとしてさらに第三者に売ろうとしたことで起こったことです。つまり冗談で売ると言ったAからBが買い、それをCに転売しようって話でした。Bは疑問に思わずに購入契約したんですね。その際に謄本上の所有者と身分が違うことや権利書の原本や印鑑証明等の確認を怠り、Aが間違いなく売主であることを完全に信じてしまったこと。そして、その土地を何も知らないCが買い受けてしまったところまで取引が進んでいたのです。
この時はまだ中間省略登記が普通に行われていた時代だったので、契約書上はAからBへ、そしてBからCへと 売買がされた記録があるけど、実際の登記手続きはBをすっ飛ばしてAからCへと直接所有権移転登記がされるというシナリオだったそうです。ところが、Aが「売るのは冗談でした」って話になり、Bはもちろん、何もしらなかったCまでが迷惑を蒙ったという全体像です。この取引ですが、Aが冗談で言っていてもBやCが何の疑念も持たずにコトを進めていたとすると、冗談で言った「売る」という意思表示が認められてしまうんです。つまりCはこの土地を買うことができるんですね。冗談で売るといったAは対抗することができないということで、決済中にモメにモメたそうです。
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