20180724 残金決済時に売主買主が立ち会えない場合の本人確認
不動産売買において決済、すなわち残金支払い(受取り)と物件引渡しが行われる日は平日であることが多いので、仕事の休みが取れない場合は誰かに委任して手続きを頼むことがあります。分かりやすいのは、ご主人様が仕事が忙しいので奥様に依頼するケースで、このような難しそうな?手続きはやはり不安になるので、私は奥様には事前にどんな手続きになるのかを説明するようにしています。不動産の残金決済日ですから大きなお金が動く時ですし、何もわからないまま「不動産屋まかせ」になってはいけないと思うからです。
さて、この手続きは買主と売主とで立場が違うわけですが、不動産屋からみても登記手続きをする司法書士からみても、そして融資を利用するなら金融機関からも、買主本人が来れなくて代理になるのか?それとも売主本人が来れなくて代理になるのか?についてはどっちも同程度、というわけではないのです。この場合、不動産を手放す売主が誰を代理にたてるのか、代理で行う行為は説明できているのか?などを必ず確認します。私は決済日前に売主本人と会いに司法書士と一緒に職場や自宅、あるいは当社に来てもらって本人確認します。本人の身分証明書、印鑑証明書などを本人の目の前で確認して、その場で登記の委任状をもらっておくのです。
これを電話やメールなどで意思確認してしまう不動産屋や司法書士をたまに見かけます。このような不動産屋や司法書士が登記手続きする売買に出会うと非常にマズいです。モグリなんじゃないかと疑ってほしいくらい、いけないことです。売主になりすまして売却の意思表示をしてしまう行為はあからさまに悪意があることですが、例えば、高齢で痴呆であったり、障害があったりする場合に、売却意思確認ができない可能性があるから、親族が変わりに本人に代わって善意でしてあげる行為もしてはいけません。売主本人との意志疎通ができての代理なら問題ないけど、意志疎通が困難なのにも関わらず「家族が売却意思を不動産屋や司法書士に示してしまう」ことは違法です。
要はこれを知ってる確信犯が、「きちんと本人確認したかのごとく」電話で売却意思確認を取らせようとする行為を見かけたことがあります。残念ながらこのような場面に遭遇してしまったら、「家族だから大丈夫」とか「よくわからないけど、そういうものなんだな」と思わずに必ず、利害関係の無い不動産屋、司法書士、あるいは専門機関などに事情を説明してアドバイスを受けてほしいです。
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