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20190710 住替えローンの歴史 オリックス アサックス

今の家から次の家に住替えをしようとした時に、売れる金額と住宅ローンとの関係を気にすることがあると思います。今の家が2000万円で売れるんだけど、まだローンが2500万円残っているから、この差額の500万円を次に買う家のローンと合わせちゃおう!というのが住替えローンというものです。つまり、次に買う家が3000万円なら3500万円のローンを組んでしまおうというわけ。もちろん、そのローンが組めるだけの収入が必要だろうし、返済額や期間は伸びます。それでも住替えローンを使って次の家を買うんだ!という強い意思や住替えに大きなメリットが無ければ利用することのないローンです。今ではいろんな融資機関で当たり前のように出ているこの手の商品ですが、まだ住替えローンが出始めた頃の影響力はとても大きなものでした。

私が不動産業界に入った1998年(平成10年)頃は、バブル崩壊後で住宅産業が低迷していた時代でした。一般の住宅で多かったの問題のひとつに「高い金額で買ってしまった上に不動産の値下がりが大きいので、売れる金額とローン残債との乖離も大きかった」というのがありました。つまりローン残債がありすぎて売ろうに売れない、という現象です。それまではマンションから一戸建てといったように年齢とともに不動産価格の安価なものから高価なものへ、手狭なものから広いものへ、というようにステップアップしていく住宅取得の順序みたいなものがありましたが、バブル崩壊によってステップアップできず、最初に買った家にずっと住み続けなければならない意識が蔓延していました。

一般的にはローンを抱えたまま売る場合には、基本的にローンだけを一部残すことはできずに一括で返済しなければならないルールが存在していました。冒頭の例で言うと500万円の差額を現金で用意するなりしてローン残債との差額を埋めてから売る、それができるならば次の家を買うのに新しいローンを組む。という流れでしたので、この差額500万円を親族から借りたり、無担保をいいことに社内融資を利用してもらったりして、なんとか住宅ローン残債と売却額とを相殺できるようにしたものです。もちろん、他から借りるといっても返済するわけですから、方法論のひとつということであって、ラッキーとか得したとかそういう話ではないです。

新築の売れ行きどころか、住替えも困難な不動産業界の停滞。この状況で出てきたのが住替えローンでした。現金を用意して売却額とローン残債との差額の穴埋めをしなくても、次に買う家のローンと前の家で残ったローン残債を一緒にしてしまおうというもので、この住替えローン商品で有名だったのがオリックスでした。実はオリックスより前にアサックスという会社がこの商品の前身を作っていたようですが、特に不動産仲介業者に商品を広めたのがオリックスだった為、住替えローンイコールオリックスみたいな新人への営業マニュアルが定着していたのも事実です。前述のように高く買ってしまったので売却額が下がり、ローン残債もたっぷり残っている、もうここに住むしかないと半ば諦めかけていたお客様に住替えローンを利用してもらって、ステップアップのへの道筋をお客様と一緒に考えることができた喜びもありました。

しかし、この住替えローンというものは諸刃の剣のようで、ローン金額はもちろん、返済額も返済期間も伸びてしまうケースもありました。それでも住替えするか?の話ではとても慎重になるし、お客様も悩みに悩んでいたのを今でも覚えています。ただ、当時でいう住宅金融公庫では返済当初の返済額を極端に優遇し、5年、10年と段階的に数万単位で返済額が上昇する商品があったり、返済金利も今の何倍も高かった為、ノンバンクであるオリックスの住替えローンを利用してでも返済が変わらないうケースも見受けられました。毎月の返済額が変わらなければ、多少返済期間が延びてでも住替えメリットを享受したい。というお客様は大勢いたと思うので、当時の住替えローンという商品がもたらした可能性はとても大きいと思いました。

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