20200124 【賃貸】社宅代行が入る法人契約について
賃貸物件の案内をしているとたまに法人契約という言葉が出てきます。これは借りる側が個人ではなくて法人名義になる契約ということを指します。貸主、つまり大家側が個人か法人かではなくて、「物件に住む個人(社員)が勤務する会社で借りる」ということです。会社で借りてその社員を住まわせるんです。で、家賃は当然会社が支払いしますが、家賃を全額負担してくれるか、一部は社員個人が負担(給与天引き)するのかは会社によります。つまり会社が社員に対して福利厚生の一環として居住費用の一部を負担するということです。当然、このような福利厚生を持っている会社は個人負担が減るから社員にとってとてもいい制度ですが、賃貸物件ではなく購入となると居住費用の一部負担は無しということが多く、実際に購入する時に備えて家賃補助を得ながら頭金を貯める、ということもできます。
法人契約は、借りる法人側が「このような物件は基本的に契約できない」というルールを定めていることが多いです。例えば、定期借家契約は最たるもので、ほとんどは定期借家は法人契約できないです。更新ができる普通貸借に変更できるか、あるいは定借期間を2年ではなく3年、5年など長期にしてもらうことで融通が利く場合もあります。他には保証人や保証会社は無し、火災保険は法人側で加入する、駐車場費用は出ない、敷礼は3ヶ月まで、といったルールもあります。これらのNGルールに該当しないか、するならば解消できるかといったことをその不動産会社の営業担当が貸主側の管理会社と交渉する必要があります。実際に住む居住者本人の希望の他に法人側のルールも確認して物件紹介するのです。
また法人契約では、貸主A、貸主管理会社B、仲介会社C、法人Eの間に法人の社宅代行会社がDが入ることが大半です。個人と同じように普通に物件を案内しますが、その前に図面や口頭ベースでNGルールが無いかどうか、解消できるかどうかをDに確認してから法人Eの社員であるお客様(居住者)を案内します。気に入った物件があると、AやBに対して社員名で申込書を入れるなどして物件を止めてもらい、物件に対するDからのチェックリストや確認書がCに送ってもらいます。CがNGルールが無いかを確認して署名押印してDへ送付。取引ができる物件であれば、BやCが作成した契約書類を確認してDが署名押印、という流れです。実際に住む社員は契約書に署名も押印もしないのです。
物件案内が終わって申込書を入れた後は社宅代行会社Dがその社員に代わって手続きしてくれるし、契約金なども全てDが代行して支払ってくれます。初期費用は法人負担でほとんどかかりませんし、引越し代やガス電気などの手続きくらいでとても楽です。自分が会社に勤務している、あるいはこれから入社する、転勤する、という場合には会社で家賃の一部負担という制度があるかどうか総務課などに聞いてみるといいと思います。もしあれば、会社と提携している不動産会社を紹介してくれるはずです。それか、自分が探したい地域を得意とする不動産会社や知人友人の伝手で紹介してもらった不動産会社で物件を紹介してもらってもいいと思いますが、法人契約についてある程度の知識がある不動産会社だとスムーズだと思います。
ちなみに、勤務する会社で家賃補助制度はあるんだけど、あくまで個人で賃貸契約してもらって、給与に「住宅手当」として支払う場合は法人契約とは呼ばないです。これは個人約で、家賃の一部だけ法人が給与に上乗せして支払ってくれるものです。このケースでは一時的かもしれませんが、自分で契約金を用意して署名押印もする必要がでてきます。
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