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物件レポート

20210709 急傾斜 土砂災害 残土盛土 安息角の重要性

「安息角」あんそくかく。

子供の頃、公園などで砂山を作って遊んだ記憶があると思います。晴れた日に公園で作る砂山はサラサラの砂で上からスコップで砂をかけるといい塩梅で円錐を形成します。砂時計もこれに似ていますよね。これを海でやると多少湿っているので、砂で手で叩きながらやると背の高い円錐の山を形成することができます。なるべく固く形成して対になる方向から穴をあけて「手が繋がったよ!」と子供は楽しくやるわけです。が安息角を考えた造成工事というのはこれと少し似ています。水で湿らせて固めるように薬品や骨材やセメントといったものを混ぜて崩れないようにしたり壁を作ったりするのです。

さて、砂山を例にしてみるとどちらも円錐形状には変わりないですが地面からそり立つ山の角度が違います。公園のサラサラの砂は水でもかけて固めないと山の斜面が一定限度を超えると崩れてしまいます。この角度のことを安息角と呼びます。安息角はサラサラの砂、湿った砂、土、粘土、砂利などで当然異なるのは想像がつきます。造成業者は土を掘ってその堀った土を一時的に山積みして仮置きするのにも考えます。仮置きしても山のままではなくてっぺんを叩いて台形の形にして平たくしておきます。

安息角は一般的な土質であれば30度と言われています。山を横から見たてて30度くらいで土砂の流出が止まると言われいるから、その止まった場所から先が安全である、というように考えるわけです。土羽のままで風化したような場所、人が手を加えたような場所は特に危険ですので通勤通学などで利用する道に危険があるかどうか日頃から確認するといいでしょう。話が少しそれますが、この角度と土砂が堆積した山の麓までの距離がわかると山の高さが大よそ計算できますよね。三平方の定理が少し役に立ってるような?気がします。

一定の面積や掘削深度を伴う盛り土を行ったり切り土を行う場合には造成許可が必要となります。無知な業者が安息角を考えずに、まるで子供の頃にやった砂山を形成するかのように残土を積んだり、土を削ったりするのを防ぐためです。当たり前ですが、安息角は山を形成する物質が成す自然の摂理なので、これを抑え込むには崩れないように表層を固めたり、物理的に壁を作って土が流出しないようにしなければなりません。急斜面の表層をモルタルやコンクリートで固めたり、垂直な擁壁を作ったり、身近なところだとブロック塀などで隣地との境界や土留めをしている箇所などがそれに当たります。古いブロック塀は鉄筋が入ってなかったり土に隠れた基礎部分が杜撰だったりするので連続したブロック塀が壁のように倒れることがあります。地震などで倒壊事故を耳にすることが増えていますのでブロック所有者は維持管理を徹底したいところです。

土留めブロックは自分の敷地の土が隣地へ崩れないようにするためにあります。そのため、土留めブロックは隣地と比べて「敷地が高い側」が所有することが多く、境界標を探すのにも参考にすることがあります。一方で隣地同士の高低差が無いような土地だとそのブロックは土留めとは関係ない境界の意味を成していますからブロックのちょうど中心が境界になるように設置することが多いです。この場合、フェンスなどの支柱や本体の表裏がどちらの所有か?なども問題になるので所有権を得る前に注意するといいでしょう。

平面地に盛り土する。くぼ地を土で埋める。このような造成工事を行う場合にはその土が外部に流出しないかを検討し、その土の性質上からどの程度の安息角を保っていればいいのか?つまり「万が一、流出したとしてもここで止まる」ということがわかってないといけません。もちろん、土がどのような土か。粘土質か火山灰からなる比較的柔らかい土か、砂利が含まれるか、あるいはゴミなどが混じった混合土なのか、によって万が一流出した時の安息角が変わります。造成工事は許可制と言いましたが、許可を出す側が申請者の「土」の表現について疑いなく事務処理を進めるとそれで造成の許可が下りてしまうことがあります。行政側は「きちんと審査して許可した」と言うしかありません。

尚、高低差が大きくある場合は上方からの土の流入を憂慮して、高低差がある下側の土地の建築物に対しては基礎や1階部分の壁を強化するように指導がある場合があります。例えば1階の壁はRCにしろ、といった具合です。高低差がある土地で上方側の土留めが無許可造成の壁だった場合にはこの指導がくることが多いです。建築当初に想定外の費用が発生する場合もあるので土地を購入する前に不動産業者に調べてもらいましょう。

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