宅地建物取引業は５年に１度の免許更新がある業界です。当社は神奈川県のみで宅建業を行うので県知事免許、２つの都道府県にまたがって営業するなら国土交通大臣免許となります。１年に１度の法定講習を受講して５年ごとの更新時に受講有無を確認されて、受講不備があると更新できないのです。加えて宅地建物取引士という個人の国家資格の講習も義務付けられていて、罰金などの刑事罰を受けるわけではないものの、宅建協会の会則でも宅建業法でも決まっている法定講習であり、これを受けないと宅建士としての登録ができません。つまり重説することができないから実質的に資格がないと営業できません。最近では賃貸管理業者に対して賃貸不動産経営管理士が在籍していることが大規模戸数を管理する上で要件となっているのでこの資格の更新も疎かにできません。

不動産取引に関しては司法書士や弁護士や税理士といった諸先生方にお世話になることが多いです。いつもお世話になる先生方は、その講習自体が義務や必須事項でない任意講習であっても積極的に講習を受けて知識を得ようと努力しておられます。法律改正などは毎年のように行われるので最新の情報にブラッシュアップしておかないとお客様と正確に受け答えすることができなくなります。私が何か仕事でアドバイスが欲しいと思った時やこの先生と一緒に仕事がしたいと真っ先に思うのはこのような自己研鑽の意識が高い人だと感じた時です。資格の難易度では比較もできませんが、いわゆる先生と呼ばれる専門家の方であっても自分の顧客を紹介したいかどうか判断する基準にもなります。

先日、私が受けた講習では知り合いの弁護士先生が講師だったので挨拶したところ少し立ち話になりました。先生曰く、今日来校しているのは宅建業と建設業の方が多いだろうが、このような任意研修を受講する人としない人では顧客に対する意識も違うだろう、一度取得した資格に奢らず自分の仕事に誠実に向き合ってる証拠でもあるし、実際に弁護士先生自身が誰かに仕事を任せようと思うか思わないかにも関係してくる。とおっしゃってて、その通りだなと私も思いました。この先生は年長の弁護士なのですが、自分が専門とする法律分野の中でも得手不得手があるから、宅建業以外で突っ込んだ話になると時間をとって調べないとわからないとも言っておられて、嘘や誤魔化したりせずに誠実な印象があるといつも感じています。

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